2016年5月1日日曜日

仕事帰りに四月大歌舞伎にて仁左衛門様を拝む_「毛谷村」

急に仕事で関東地区に行く用事ができまして…

 北海道新幹線のH5系初乗り(東京方面ですが…)。

…E5系とどこが違うのか乗り心地的には全然分かりませんでした。爆

で、お仕事は昼過ぎに完了しまして、ふらふら〜と幕見席空いてるかしら—?と木挽町界隈へ足が向いて…もう販売はじまっておりましたが意外に若い番号をゲット。
やたー!久しぶりの仁座様じゃ〜!

夜の部は、
仁左衛門の六助で『彦山権現誓助剱』 杉坂墓所・毛谷村、
それから
染五郎の新作・『幻想神空海』
が掛かっていますが、ゆっくりできないので、とりあえず『彦山権現誓助剱』のみ拝見。新作拝見できず残念でした…。(でも、毛谷村が終わったらどどーっと幕見のお客さん一気に帰ってしまった感じでしたが…)

仁左衛門の毛谷村六助は意外な感じの配役でピンと来ていませんでしたが、これまで見た「毛谷村」の中では、いちばんしっくりする話に感じました。
六助という人物は、剣術の奥義を授かるほどの遣い手らしいのですが、親孝行で情に弱く、出世欲もない、お人好し…というキャラクターです。いろいろアリかそれ?という歌舞伎らしいお話なので、(六助って頭悪いんでない?)という感覚で見ていたところが正直あったりしたのです。しかし、今回はなぜか(っていうか、仁左衛門の解釈の深さと思いますが)妙に六助の肚の内が伝わってきて感情移入ができました。

母親に孝行したいという気持ちにほだされて微塵弾正(歌六)の八百長試合に付き合ってしまうところも、いつも亡くなった母親への孝心が行動規範になっていて、「もう自分は親孝行したくてもできないから」とそちらの気持ちが勝って請け負っちゃうんだなーと。また、急に現れた押しかけ母親のお幸(東蔵)にも戸惑いつつも礼を尽くし、押しかけ女房のお園(孝太郎)にも戸惑いつつもまんざらでない感じ…、普通なら(ありえんわー)ですが、若々しさがあって妙にしっくり。で、微塵弾正への人助けと思ってやったことが騙されてただけでなく、母親と偽った老母は実は拐かした斧右衛門(彌十郎)の母親で、弾正は無事に仕官が叶って用済みになったあと老母を殺していたということが判明し、さらに自分の剣術の師匠で今は舅(お幸の夫・お園の父)となった吉岡一味斉の仇でもあったと分かり、怒りに打ち震える見栄では、(い、いかん、この人は怒らせちゃいかん人ですよ〜!!!!!(´Д`;≡;´Д`))と、4階までもとどく殺気と迫力。本当に怖い人ってこういう人だよ〜。

仁左衛門の肚に飲み込まれました。それもまた快感。

そもそも誘拐されているのに、武家の奥方みたいな着物を着せられて弾正の寸劇に付き合う斧右衛門の母親ってオカシクないのかな…とこれまでは思っていたけれど、(そうか、呆けてしまったお婆ちゃんだったのかなー)と勝手に先回りして納得している自分がいたのでした。
歌舞伎なのに〜。



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