2015年6月20日土曜日

本仕込みの芸猿、環クンと椿クン

猿舞座のSendai-Yamagata公演の千穐楽、S市民俗資料館の公演で、耕平さんが小さい猿の二頭遣いをやりました。

椿クン、客さんの前で始めて芸をする。
猿舞座は去年まで相棒だった夏水クンを引退させて、この春から「環(たまき)クン」を遣っています。そして、この日耕平さんは始めて「椿(つばき)クン」という仔猿を舞台にあげました。環クンと椿クンは兄弟の猿で、伊勢神宮の内宮の森で捕獲された仔猿だそうです。

これにはいきさつがあるのですが、なんでも伊勢神宮のご遷宮の行事の祭に、森を浄めるためにいちど猟をして動物たちを追い払うのだそうです。その時に母猿が猟銃で撃たれ、2匹の仔猿が生き残ったそうなのです。それを漁師さんが拾って、巡り巡って猿舞座に相談が持ち込まれ、それは有り難く…と貰われてきたのだそうです。

なんだか神がかった話です。

環クンと椿クンは同い年の兄弟(もしくは同群の仔猿)ですが、だいぶ個性が違うそうです。

環クンは四肢が長くてジャンプが得意な敏捷な猿です。今はまだ小さいので輪抜け「鯉のたきのぼり」までしか飛べないのですが、これからいろいろな芸を覚えてカッコいい花猿として成長して行くと期待できます。
一方、椿クンは母親を仕留めた鉄砲の流れ弾が当たったのか保護された時に背中にキズを負っていて、そのせいで少し成長が遅れているのだそうで、確かに環クンと比べると学年が違うのか?というくらい体格に差があります。しかし、やる気は満々で、気性はむしろ椿クンのほうが激しいくらいなんだとか。このギャップがなんとも可笑しげ…というと叱られてしまいそうですが、見るだけで愛嬌を感じる三枚目役者の資質を感じます。

耕平さんは、2匹の個性を生かして上手に育てていきたいと話していました。特に椿クンは上手に仕込めば年をとっても出て来ただけで喜ばれるような芸猿にできるんだがなーと。
さすがに二頭遣いは難しいらしいのですが、本仕込みでなければ出来ない芸を仕込んで、花猿の芸を見せて欲しいと期待は膨らみます。

そんなわけで「(耕平さん曰く)最初で最後」の二頭遣いの舞台をみた、あの千穐楽はちょっと良いもの見た気分でしたので、お裾分けします。

耕平さんの肩の上が大好きな椿クン
「親方〜、ここどこですか?人がいっぱいいるんだけど〜」

 親方の腰にぴったり寄り添っております。

椿クン、ひとつ芸を見せて…「早く帰ろうよ〜〜〜」
なんかそんな夫婦漫才のコンビありましたね、「母ぁちゃん、はやく帰ろヨ」とかいうの。子供たちは椿クンの仕草に大ウケ、真似してました。本人は必死なのにね…苦笑。

代わって登場の環クン。
すでに舞台慣れしております。若さが輝いておりますね。

環クン「おいら、ジャンプ得意だもんね〜」

鯉のたきのぼり!
来年は「羽ばたけ!オオワシ。楽天イーグルス!」の一節が聞けるでしょう。
まだまだ成長が楽しみです。

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