2016年9月4日日曜日

8月に読んだ本

2016年8月の読書メーター
読んだ本の数:6冊
読んだページ数:1187ページ
ナイス数:12ナイス

11 eleven (河出文庫)11 eleven (河出文庫)感想
kindle版で。近藤ようこの「五色の舟」の原作というので興味を持ちました。文学のための言葉をつかって、精密でナイーブな世界を構築しているという印象でした。「五色の舟」がいちばん面白かったです。四谷シモンの人形をつかった表紙は綺麗。
読了日:8月26日 著者:津原泰水




月影の御母 (ビームコミックス)月影の御母 (ビームコミックス)感想
Kindle版で。夏休みに近藤ようこ作品を連続注入。お猿を肩に乗せて旅する姿は「母をたずねて三千里」のマルコみたいですが、筋はだいぶ違って、母を求める少年の前に現れるのは、母の姿をまとった妖かし達。そして本当の母は…。中世ものの摩訶不思議感や残酷感、それと、情感が、淡泊な線で表現されていて近藤作品らしい秀作と思いました。
読了日:8月18日 著者:近藤ようこ


説経 小栗判官 (ビームコミックス)説経 小栗判官 (ビームコミックス)感想
Kindle版で。スーパー歌舞伎や義太夫、舞踏にもなった説教節の「小栗判官伝説」。元の話が知りたいなと思っていましたが、この漫画はストーリーがすんなり分かりました。小栗判官って地獄から蘇った男の話でした。地獄の様子が熊野勧進十界曼荼羅のまんまで面白かった。P144の照手姫はステッカーにして欲しい。そして第3の主役は鬼鹿毛でしょう。
読了日:8月18日 著者:近藤ようこ


宝の嫁 (ビームコミックス)宝の嫁 (ビームコミックス)感想
kindle版で。中世の説話にはリアルにとらわれない大らかな不思議さ面白さがあって好きです。標題「宝の嫁」は、古事記にでてくるコノハナサクヤヒメとイワナガヒメの話を思い出しました。お話ってこういう感じに変わりながら伝わっていくのかというのと、どこまでが近藤先生の創作なのかな…などといろいろ妄想しながら読みました。
読了日:8月16日 著者:近藤ようこ


猫の草子 (ビームコミックス)猫の草子 (ビームコミックス)感想
1993年に刊行された短編集の新装版をkindle版で。「猫の草子」は中世版「八日目の蜩」みたいな…。お伽噺って大人の読み物だったんだ。
読了日:8月15日 著者:近藤ようこ





妖霊星―身毒丸の物語妖霊星―身毒丸の物語感想
身毒丸と言うからには説教節「しんとく丸」…と期待してポチリましたが、あれれ?こんな話だっけとちょっとモヤモヤ。あとがき漫画を読んだら、2つの説教をモチーフにしているオリジナルだったそうです。しかも、「妖霊星」は能の「弱法師(よろぼし)」の語呂合わせで「ようろうぼし」って読むそうな!気がつきませんでしたー。なる程。漫画の方は、やや辛かったかな。弟姫の行動原理がちょっと突飛すぎるというか、理屈っぽいというより心病み的な感じがして感情移入できず、物語的にも全体的にもついていけずに終わった感じ。
読了日:8月3日 著者:近藤ようこ

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