2010年2月16日火曜日

桜爛漫歌舞伎三昧_歌舞伎座さよなら2月公演(2)

そういうわけで観劇双六を1日戻って、歌舞伎三昧の夜の部は、1階の花道寄りのお席でした。
3階とはまた違う臨場感。このくらい近いと花道を通る役者さんのオーラが眩しいのですよ〜ヾ(´ε`*)ゝそして、なぜか高そうな香水の臭いがむんむんしてくるのでした。気合いが入るんですね、一等席ともなりますと…。

西の桟敷席には舞妓さんが3人。京都から来たんでしょうか、華やかな雰囲気です。

【夜の部】の演目は、
1)壺坂霊験記(三津五郎、福助、ほか)
2)高坏(勘三郎、弥十郎、亀蔵、橋之助)
3)籠釣瓶花街酔醒<かごつるべさとのえいざめ>(勘三郎、玉三郎、仁左衛門、弥十郎ほか)
であります。

今回の追悼公演の演目は、十五代目襲名公演の時のとちょっとかさなっているかなと、正直はじめはそそられていなかったのですが、ふと、あのときの玉三郎の花魁道中を思い出し、「あぁ、あの花道の見返りのほほえみは、もうこの劇場では見られなくなるんだ!」と気がついたら、矢も盾も堪らなくなり、チケット頼んでいました。

歌舞伎に関しては、普段はけっこう集中力維持できるんですが、昨日までの疲労が堪っていたのがここにきて作用してきて、すいません『壺坂〜』の第二場の途中で一瞬気を失ってしまいましたヾ(*゚A`)ノ、(罰当たりがぁ〜あ!!)それで、沢市が崖から落ちたあたりでスッキリ目が覚めて、そこからは絶好調。

心待ちにしていた『高坏』も爽快な気分で楽しめました。勘三郎丈の「下駄タップ」の軽快な足捌きと愛嬌たっぷりの踊りで、寄席でもないのにげらげら笑っていたら、隣に座っていた妙齢の女性も一緒に笑い出して、幕が下りたら「お好きなんですか?」と声をかけられました。S市から来たと話したら、とても仰天して「歌舞伎好きの方はえらいですね〜」と感心(呆れか?)されました。(いえ、今月はS市あたりから見に来るのは珍しくないんですよ、きっと)

『高坏』は、狂言舞踊形式の創作舞踊で、長唄囃子連中の演奏がつきます。これも立三味線が杵屋勝国さん、立唄が杵屋直吉さんのゴールデンコンビで、以下以下ずらりと5丁5枚(だったと思う)とお囃子の大編成。筋書には、勝四郎さん(唄)や裕光さん(三味線_先日テレビで三味線でビートルズを弾いてました)もお名前があり、期待に胸膨らんでいたんですが、この日はご出演がなくて誠に残念でした。もちろん、勝十郎さんは四枚目くらいに控えてがんばっていました!

もちろん舞踊の演目ですから、自分も含めみんな役者の踊りに注目するわけですが、ここに邦楽界・超トップクラスの演奏家が伴奏しているという事にも注目しておきたいですね。あの踊りにあわせるためには半端な演奏家では堪えられないということなのでしょう。一月つづく歌舞伎の演奏はけっこう過酷で、名人クラスになるとお芝居にはつきあわなくなるという話も聞かれたりして、そうなると歌舞伎以外に邦楽に触れるチャンスはなかなか無い我らは辛いのですが、勝国さんと直吉さんは今月昼夜通しでご出演!感服です!凄いです!もったいないくらいです。

そして、『籠釣瓶〜』。この作品は、桜満開の吉原で華やかな花魁道中が次々に通り過ぎていくなか、吉原見物にきた佐野の商人・次郎左衛門が、偶然、兵庫屋の美貌の傾城・八ッ橋(玉三郎)のひときわ絢爛豪華な道中に出会って、傾城の見返り(吉原には呼んでくれたお客が気に入ったら、帰りの道中の途中で振り返って笑ってみせるという風習があったらしい)の流れ弾(流し目)に当たって魂を抜かれてしまう「見染」の場面や、色男の間夫・繁山栄之丞(仁左衛門)に真心を疑われ、心ならずも次郎左衛門に愛想づかしをしてしまう「縁切りの場」や、恥をかかせた八ッ橋に恨み抱いた次郎左衛門が妖刀・籠釣瓶で八ッ橋を惨殺する場など、絵を見るような名場面が盛りだくさんの作品で、虫六も心のシャッター押しまくりでした。

白髪頭のおばあちゃんも、片外しの奥女中も、怪しの妖怪も悪くないですが、しかし、花魁の玉三郎に勝るものなし!あの流し目の薄笑い…、ジロ左衛門じゃなくても魂抜かれます(* ̄◆ ̄*;)、勘三郎丈、いったい何分間放心してましたでしょうね(笑)
それだけに、殺しの場面は殺気がありました( ̄ロ ̄lll)

幕間に例の写真コーナーにいってみたら、『俊寛』の衣装が戻っていました。

先代がタップダンスした下駄。

八ッ橋は六代目歌右衛門丈の十八番だったんですね。玉三郎丈のあと、誰に引き継がれるのでしょうか。そんなところにも興味があります。
ちなみに、七之助丈は兵庫屋七越役で出演してまして、ひと月舞台の上で大和屋の傾城を見て勉強するんですね。『籠釣瓶〜』は中村屋にとっても大事な演目だから、勘太郎丈もいずれジロ左衛門をするでしょう…ということは…。いやはや夢想は広がりますね。

朝から晩まで、歌舞伎どっぷりの1日でした。


この日、銀子さんと思い出せなかった人の名前:大石恵(昔ニュースステーションのお天気おねいさん)

2 件のコメント:

  1. お疲れした!
    アナタの秘蔵ブロマイド写真をいち早く解説付きで見れるワシはラッキーくんです。

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  2. >銀子さま
    いつもいつもお世話になっております。
    自宅に帰っても聞いてくれる人もないので、面白がって聞いてくれる銀子宅での発表にリキが入ってしまいます。最近は、ついつい生写真の大人買い枚数が増えてしまい、歌舞伎座の売店のおじさんに面が覚えられているんじゃないか?と心配です(汗)

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