2009年12月13日日曜日

「ケンジの散歩道」in 銀杏坂

チボリの瀧原君が劇判出演するというので、杜の都の演劇祭プログラムD「ケンジの散歩道」を見に行きました。

http://www.morigekisai.com/stage_info/D/d_about.html


このプログラムは、紙芝居でもお世話になっている演出家で俳優のなかじょうのぶさんがディレクターをしています。実はのぶさんのお芝居見るのも久しぶり(スミマセン! (;´Д`A ```)だったので、楽しみにしていました。

会場は、「Waiting Bar 銀杏坂」というバーで、外飲みをほとんど行わない虫六は行ったことないお店。っていうか、上杉通りは銀杏坂って言うの?S市じゃないみたいです ( ´艸`)

受付して店に入ると、サービスのドリンクを注文します。すでに入場していた妙齢のご婦人たちは白ワインなどを飲んでいましたが、虫六は自動車で行ったのでコーヒーを。おつまみとして出されたのは、なんと!和菓子!!う〜む、アルコールに和菓子は辛いでしょ…。常識的に。ちなみに隣のおじさんは、ロックのウィスキーを注文して、和菓子が出てきて戸惑っていました。掻き餅とかならね、せめて。

で、和菓子を食べるタイミングを伺っているうちに、出演者が入ってきて、公演が始まりました。

出演者は、なかじょうのぶさんと絵永けい さん( TheatreGroup"OCT/PASS")で、音楽が瀧原文法くん(この場合、「タトラ」ドラマー)。

公演は、宮澤賢治の作品と彼の評伝を組み合わせた構成で、「虔十公園林」「雪渡り」「よだかの星」、それから井上ひさしが宮澤賢治の何かの書籍のあとがきに書いたらしいエッセイ(シロツメクサの話)などが朗読され、60分ほどの内容でしたが、ウェルメイドな作品に仕上がっていました。

のぶさんと絵永さんの声がとても耳障り良く響いてきました。

「虔十公園林」は20年も前に読んで印象に残っていた作品で、当時ヒットした「木を植えた男」というアニメーションなどもかぶって思い出されたりしましたが、今こうして聞くと印象はだいぶ違ってました。賢治が農業の人がだったという観念があって、虔十は人に馬鹿にされても将来の森の育成をイメージして杉を植えたと当時は理解していたのですが、もっと無垢な衝動だったのかな。そして結果としてできあがった「森」が喚起したのは、環境がどうのとか土地がどうのということよりも、森と関わりながら生きて築かれた人と人の記憶をつなぐ装置だったのですね。賢治の作品はその人その人の年齢や身の丈によって楽しめばいいと、公演の中の井上氏エッセイの前段でも語られていましたが、また10年くらいして読んで見ると、違うことを考えるのかもしれません。

かなり大人っぽい空間で、ある意味抹香くささもある賢治の作品を、重厚な語りで紡ぐ…という構成でしたが、瀧原くんのアドリブっぽいドラムがいい接着剤になってアーティスティックな作品にしていました。でも、公演の後で聞いたら、瀧原君が生出演したのは今日がはじめてとのこと、ラッキーでした。

今回の杜の都の演劇祭2009は、文学館が10-BOXの門を叩いてといういきさつで始まったそうなので、全体に文学色が濃厚なというか、文学×演劇というコンセプトだったようですが、リーディング×演劇だったら、例えば宮本常一の「土佐源次」みたいな文学の範疇に入らない名文なども作品として取り上げてみると面白いかも?などと思ってみた次第です。

2 件のコメント:

  1. 寒い中ご来場&素敵な感想をありがとうございます!
    私自身この演劇祭に参加が決まるまで宮澤賢治を読んだことがなく、しかも読み手が仙台演劇界の大御所二人ということでかなり不安いっぱいだったので、ちゃんと作品として捉えていただけてホッとしています。来週も頑張ろうという気持ちになれました!ありがとうございました!

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  2. >ふみのりさん
    ごくろうさまでした。
    大御所の方々との渡り合いでも、十分にタイ張っていましたよ♪(o ̄∇ ̄)V
    観客の層も全体的に年上でしたもね。
    そういうところが、「文学系」という印象だったのかな?
    (偏見?)

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